こんにちわ。
”デンマーク料理”といえば何が浮かびますか?
大体なにも浮かびません。
うちの家族も”デンマークで何食べてるの?”ってよく聞いてきますが、
デンマーク人といえばこれしかないでしょう。
Rugbrød(ホッボデゥ:日本語で発音を書くのは難しい!)です。
日本語でRugはライ麦、brødはパン。
この黒い、重い、歯ごたえ満点のパンは日本のパンとは全くの別物。
というより、もう日本のふわふわパンを逆行するしろもの。
デンマーク人の定番お昼は、このライ麦パンです。
デンマーク人の国民食といっても過言ではない、デンマーク人にはRugbrødホッボデゥがない生活なんて考えられない。
今日はそんな食事をご紹介します。
高ビタミン、食物繊維を含む栄養満点のパン

日本でのライ麦パンはカンパーニュ系のパンを想像する人が多いと思います。
デンマークでも、もちろんそういうタイプのライ麦パンもありますが、デンマーク人定番のRugbrødホッボデゥは、食パン型にいれて焼く、長方形のパンです。
Rugbrødは何でできているのでしょうか。
主な原料であるライ麦には、ビタミンB類をはじめ、ミネラル、ビタミンを含みます。
また豊富な食物繊維を含むため、噛みごたえがあり、少量で満腹感が得られるという利点があります。

血糖値の上昇を示すGI値も、食パンの91に比べ、ライ麦100%のパンは58と低め。
Rugbrødには、ライ麦の全粒粉(殻や胚芽も含む)にひまわりの種やかぼちゃの種などの色々な種をミックスして焼いたパンもあり、ライ麦全粒粉のみのパンよりも栄養価が高くなります。
日本のふわふわ白いパンと真逆であることは一目瞭然ですね。
ライ麦100%のパンもありますが、大体が色んな種類の強力粉との混合になります。
ライ麦と強力粉の割合は大体1:1で、ライ麦が沢山入っています。
カンパーニュ系のライ麦パンは、ライ麦がほんの少しだけ入っているものが多いと思います。
ライ麦粉は発酵しにくく、また粘着性が強いので、ライ麦の割合が多いと成形できないのです。
なので、型にいれて発酵、そのまま焼いています。
種類が色々あって、基本はサワー種で発酵させたパンになります。
デンマーク語でSurdej(スーアダイ)と言います。すっぱい味がほのかにするパンです。
日本人の方はこのサワー種が苦手な人が多いようです。私もすごい得意ではないほうで。
なので、生イーストを使って焼くタイプのものもあり、私はこちらのほうが好みで食べています。
何故Rugbrødホッボデゥがデンマークで定番になったのか

デンマークでライ麦が伝わったのはキリスト誕生ぐらい前のこと。
ライ麦は、デンマークのように比較的寒冷地でも、痩せた土地でも育てることが出来、その上栄養価が高かったので、沢山作られるようになりました。
その後、産業革命の煽りをうけて、工場労働者が増えた頃、それまで自宅に帰って昼食をとっていた人々が、工場で食べるのに、昼食を持参するようになりました。
そこで、ライ麦パンをお弁当(デンマーク語でMadpakken)に持っていくようになったそうです。
その後フランスパンと言われる白いパンが登場しても、一般市民には高価なものだったため、ライ麦パンが変わらず、市民の食を支えました。
日本の、玄米や粟や稗などと白米の関係にも似ているような。
その名残で、今もパン屋さんやスーパーに必ずあるパンです。
デンマーク人の中では、まっ白いパンは栄養のないすかすかのパンだという人もいます。

アンチ白パン強調してまでの、デンマーク人のホッボデゥ愛。。。
日本のように、強力粉のみで作るパンは、お菓子の甘いパンや子どもが食べるパンが中心で、
食事のパンは、全粒粉やスペルト小麦(古代小麦といわれる小麦)、ふすまや殻入りなどになります。
”栄養があるパンと食べている”、”ホッボデゥたべれりゃ大丈夫”的な自負があるとひしひし感じます。
北欧マンは、日本の白いトーストもだいすきです。
喫茶店のモーニングについてくるトーストと卵にハマって、早起きして通ってましたから。
でも、白いふわふわパンではお腹が膨れないらしいです。歯ごたえが必要だそう。
そんな彼のお昼もホッボデゥです。
参考:
Rugbroed
Rugbrødホッボデゥの美味しい食べ方:Smørrebrød(スモアボデゥ)
Rudbrødをスライスして、オープンサンドイッチにしたものをsmørrebrød(スモアボデゥ)といいます。
パンの説明を聞いて、おいしくなさそうね。って言ってた母も、smørrebrødは美味しいと言ってくれました。
スモアボデゥは、デンマーク料理レストランでは鉄板のメニューで、レストランでは、一枚のオープンサンドイッチに80Kr〜100K(大体1400円〜1900円)したりします。
smørreはバター、brødはパンという意味です。
スライスしたパンの上にたっぷりバターを塗って、色々なものをトッピングします。

シートにさっと包んで、普通のサンドイッチのように食べることもできますが、基本はお皿に乗っけて、フォークとナイフで頂きます。
smørrebrødスモアボデゥの基本の組み合わせはこんな感じ
Smørrebrødスモアボデゥの定番組み合わせ
ニシンのマリネ漬け✖カレーサラダ✖生オニオン✖ゆでたまご
レバーパテ✖レッドビーツの茹でたもの✖カリカリベーコン✖炒めマッシュルーム
ゆでたまご✖トマト✖マヨネーズ
えび(ざりがに)✖マヨネーズ✖レモン
ゆでたじゃがいも✖マスタード✖マヨネーズ✖生オニオン
カッテージチーズ✖トマト
スモークチーズ✖トマトorデンマークラデッシュ✖ねぎ
サラミ✖レモラデ(タルタルソース的なもの)✖フライドオニオン
魚のフライ✖レモラデ✖レモン
などなど、まだまだ沢山ありますが、書ききれない。
レストランででるようなメニューと自宅で乗せて食べるようなものと色々。
私が思うにホッボデゥを苦手な人はいますが、スモアボデゥにしたら結構日本人好みの味がいっぱい。
家で作るお弁当の場合、挟む定番は簡単にチーズやレバパテを挟んでいきます。
添え物はトマトや生の人参、きゅうりとか。
日本のお弁当の凄さと比べたらなんてシンプル。。。
ホッボデゥは焼いたら、堅揚げチップスに
ホッボデゥをクラッカーのように、カリカリのチップス状にして塩味やハーブ味をつけた商品もあり。
自宅で古くなって、美味しくなくなったのを塩系お菓子に変えたりできます。
まとめ
いかがでしたか?
デンマークに来たら、デンマーク人はこれを食べているよって必ず言えるものNo,1です。
私としては、ホットドックも捨てがたいのですが、それはまたご紹介します。
うちの北欧ファアモアは、お昼は必ずホッボデゥです。
長期滞在の場合、これが食べられないと食べるものがありません。
2週間位したら、耐えられなくてコメを炊きますけれども。。。
コペンハーゲン中央駅から近く、このRugbrødを手軽に食べれるお店を紹介しています。