こんにちわ。
春の陽気が更に気持ち良くなってきたこの頃。
3月1日から、小売業やカフェなどの小さい街のお店もオープンされて、春の到来とともに、少しずつ活気が戻ってきているデンマークです。
もちろん、コロナが消えたわけではないですが、12月末から今まで篭っていた分、春の陽気も手伝って、皆が笑顔になっているのは確か。
まだ肌寒い、(夏になっても肌寒いデンマークですが、、)けれど、木々に出てきてる新芽をみると、春だ春だとワクワクします。
さて、今日は、Daneの散歩道。
ちなみに第1回は、コペンハーゲンすぐ北にある自然公園でした。
第2回の今日は、墓地です。
え??墓地ですか。
と思う方も多いと思いますが、墓地は身近にある最高のヒュゲリな散歩場所。
もちろん、墓地ですから、宗教性が強いので、あなたの住んでいる近くで何かがすぐ利用できるとか、楽しめるわけじゃないかもしれません。
それでも、自然な森とは違う、人々が作り出す緑も、暮らしの中に欠かすことはできない要素。
そこには、原生種も外来種も混ざって、自分たちの心や目を休ませてくれる空間を作ってくれるものだと思います。
コペンハーゲン市民の暮らしに根付いた緑との繫がり・暮らし方をお伝えします。
墓地のロケーションは、住宅地内である

人々の生活に欠かせない墓地。
ちなみに、墓地のことを”Kirkegård”と言います。
”Kirke”は教会で、”Gård”は、ガーデン・公園です。
もちろん人々が生活している地域には、生と死がつきものなので、昔から墓地が存在します。
デンマーク首都コペンハーゲンにある墓地はこんな感じ。
コペンハーゲン市内の中で、緑色の部分の大半が、墓地であることがわかります。
コペンハーゲン市内は、もう余分の空いている土地はありません。
街にスペースが欲しいからといって、今ある墓地を遠くに移すのではなく、昔からある場所で変わらず、人々が眠っています。
墓地というイメージの崩壊 ここは、庭園である。

墓地と聞くと、やはり日本にいれば、墓石がずらーーーと並んだ様子を想像すると思いますが、こちらはちょっと雰囲気が違います。
ちなみに私の住んでいるアパートは目の前が墓地ですが、見えるのは森林だけで、墓石はほとんどみえません。
どこの教会墓地公園にも、庭園師の人達が働いていて、墓地公園の手入れをしています。
移民も多いので、エリアによって、宗教で分かれているので、お庭の雰囲気もそのエリアで変わっています。
また、全身埋葬して部分と、散骨できるエリアや、庭園の中に隠れたように埋葬できるエリアなどがあります。
庭園に隠れているエリアは本当、言われないとつい墓石を踏んでしまうのではって位、自然に配置してあって、一緒に森になっているという雰囲気。

では、驚き、こちらでの墓地の活用方法をご紹介。
赤ちゃんを寝かす最高の散歩道
デンマークでは、大きなベビーカーで完璧にフラットになるのものが主流なので、赤ちゃんに掛ふとんをかけて、外でベビーカーの中で寝かすのはとても極当たり前のことです。
散歩しながら、子どもを寝かせるのですが、墓地は最高の散歩場所。
庭園設計がされているので、回遊できるように道が組まれています。
子どもが寝るまで、自分もゆっくり散歩しながら気持ちを切り替える。
赤ちゃんが寝たら、墓地の空いているところでピクニックシートをひいて本を読んで休憩。
起きたら、ご飯を上げたり、歩かせたり、確実にくつろいでいます。
友達と語り合うのにもってこいな墓地

墓地では流石に音楽を鳴らすような人はいません。
静かな静寂な中、鳥の音や風の音のなかで、友人とコーヒーをもって座って語らう人で溢れています。
そのために、あちこちにベンチも設置してありますし、見どころと思われるような桜並木があったり。
墓石の真横で、宴会をする人まで。。。これはちょっとやり過ぎだと思うけれど、それだけ意識してない!?
コロナ化で、学校の授業も墓地で
一番ロックダウンはじめ。
どこの学校も限られたスペースで、決められた人数しかクラスに入れないという制限をクリアするため、多くの授業が外で行われていました。
特にコペンハーゲン市内の学校では、元々、学校の校庭も地域の公園を利用したりとスペース不足。
そんな中、墓地庭園の開かれたスペースでは、算数の授業が行われていました。
みんな地べたに座って、ノート片手に、算数授業。
先生も(きっと)いつもより大きい声を張って話していました。
外だから声が広がって聞こえないんだろうな。
エクササイズは墓地でやろう
車の通りがあるにしても、限られた区域。
もちろん、ランニングする人にとっても最高のルートです。
中には、合気道する人がいたり、タイチーやっている人がいたり。
朝の静寂のなか、自分の時間を墓地で楽しむ人多数。
ここまでで、みなさん墓石を意識しているのは到底思えません。
コペンハーゲン市内墓地庭園紹介
ここまでの紹介で、墓地のイメージが変わったのではないかと思います。
私が行った素敵な墓地庭園をいくつかご紹介します。
コペンハーゲンど真ん中、アンデルセンが眠る墓地

Assistens kirkegårdは、コペンハーゲン市内、Nørrebro地域にある1760年に作られた墓地で、とても歴史のある墓地です。(Assistens kirkegård)
街の中心の大きいエリアをどーんととっていて、今までこれを残してきた先人達がすごいなという思い。
ここには、デンマークの有名人が沢山眠っていて、
有名どころでいえば、アンデルセン。

人魚姫やマッチ売りの少女。日本語でも有名な話がたくさんありますね。
墓石には、詩人だった彼の詩”OLDINGEN”の一節が書いてあります。
最後には、”我が身体は朽ちるとも、魂は死なない”で締めくくられています。
木と樫の葉でできた鉄の柵は、お墓が作られた当時からそのままだそうです。
そして、理論物理学者ニールス・ボーア。
引用:Wikipedia
彼は、物理を学んだことがある人達では知らない人はいない,彼の名前が元素の名前由来になってる位の人。
アインシュタインとの交流も有名で、ニルスボーアの研究所の一角には、彼が鎌倉を訪れた時の鎌倉大仏共に写った写真も飾られています。
他にも詩人や作家などの多数の著名人が眠っているのがこの墓地公園。
いつも沢山の人で溢れています。
季節を楽しめる壮大な墓地公園

1903年に作られたBispebjerg Kirkegård墓地。(Bispebjerg Kirkegård)
コペンハーゲン市内の中で一番新しく、大きいモダン庭園の墓地庭園です。
もう入り口からびっくりする程、遠くに続く道。
ここの最高の魅力は、やはり桜並木でしょう。今年もその時がくるのが待ち遠しい。
まとめ
コペンハーゲンに住んでいると、墓地のイメージは大きく変わります。
アメリカ時代も墓地はありましたが、緑はありますが、どちらかというと、日本と同じような印象かもしれません。
”墓石が沢山並んでいる”
それに比べて、デンマークでは、人々の暮らしに溶け込んで、邪険にされることもなく、愛されながら存在します。
誰も訪れることがない悲しい墓地よりも、人々が時間を楽しむ墓地ってなんて心地いいものだろうと驚きました。
人にとって死は避けられないことで、愛する人達がいればお墓は存在し続けるでしょう。
これも暮らしの一部。
街にいながらも自然を感じ続け、環境も心地よく変えるポイントなのかもしれません。