こんにちわ。
海外に始めて住む時のワクワク感や緊張は、日本で、引っ越しをして新しい生活を始める時と大きなかわりはないものです。これからまち受ける新しい生活に胸心踊らせる気持ちで生活をスタートします。
私も10年前初めて海外に住み始めた頃はそうでした。心は未知の世界にワクワク。
”どんな生活になるだろう” ”どんな人と出会うのだろう” ”英語を話せるようになって帰るぞ”
自分でいうのも何ですが、私は元々そこまでネガティブに考えるタイプではありません。なので、マイペースに、問題なく新しい環境に適応していました。
”外国人の友人ができた” ”英語が少しずつわかるようになった” ”もっと新しいことがしたい”
貪欲に色々な人に声をかけて、一緒にでかけたり時間を過ごして、でも、ふと気づいたんです
”どこかなんだか繋がりきれない”
今なら、あの時の状態がなんだったのかよくわかります。
私はメタ認知能力はそこまで高くなかったのです。
人間なにかを上手くやっていくために、自分の物事の捉え方や考え方を一段上からモニターし、コントロールするという能力を、心理学用語でメタ認知能力といいます。
自分では、生活に馴染んでいると感じていたつもりでも、いわゆる”カルチャーショック”の状態だったのだと思います。私がカルチャーショックの大きな要因は、友人との関係性の作り方でした。
その頃仲が良かったのが、ドイツ人の彼女。前職が同じってことや、家も近くて、意気投合して、よく一緒にでかけていました。
彼女は、彼女のホストファミリーと上手くいっていないこともあって、関係が上手くいっていた私は、助けてあげたい気持ちもあって、よく話を聞いてあげたり。
英語を話せるようになりたいと、日本人の友人と会うのは最小限にして、日本語のネットのコンテンツもみない、日本語の歌もきかない、と日本をできるだけシャットアウトして生活をしていた私。
その分、彼女と過ごす時間も増えていたし、時間が空いていれば断る理由もなし的な気持ちで出かけたり。ざっくばらんに気を使わずに話せる、そんな気持ちでいたのです。
すれが、徐々に彼女のすごくストレートな物言いや、自分中心の行動にイライラするように。一緒にでかけているスイス人の友人には気にならない様子。
ある日、自分でも思いもよらず、声をあげて文句を言い合う喧嘩になったのです。
アドラーという学者が異文化適応を5段階で表しているのですが、まさに自己再統合のフレーズに体当たりしました。
【アドラーの異文化適応5段階】
- 異文化との接触
新しいものに興味をそそられる。共通点が特に目につき、文化の深い違いは認識されない
↓ - 自己崩壊
両文化の相違点に芽が行くようになり、強い印象を受ける。気になってしょうがなくなる
↓ - 自己再統合
自分化と相手の文化の文化的差異を拒絶する
↓ - 自律
文化的相違点をありのままに受け入れ、認められるようになる
↓ - 独立
文化の共通点・相違点をマイナスではなく、プラスとして捉え、自分の気持ちに対応できるようになる
”自文化と相手の文化的差異を拒絶する”状態です。ここまで来て、自分のストレスに気づいた私は、日本人の友人やスイス人の友人にこのことを相談するように。するとみんないうのです。
- 他のドイツ人の子も、ストレートにものを伝えてくること
- 自分の主張をはっきりするのは、彼女に限ったことではなく、自分達もそうであること
- 日本人は”同調すること”や”察する文化をもっていること”
私は自国の文化について、まじまじと対面することになり、今まで気づかなかった自分のステレオタイプの部分や、相手の文化的部分を知ることになりました。
日本にいる間は外国人の友人がいたことはありませんでした。今までもったことのないストレスをどうしていいかわからなかったのです。
自分に起きていた心の変化がなんだったのか原因がわかると、凄くすっきりしました。
そして、気づいたのです。
それぞれの文化的部分に対して、私が対応していくべきであること、つまり、彼女には私は思ったことをしっかり主張していくべきだったのです。
”自分が嫌だってことは他人も嫌に決まっていると思わないのだろうか”とか思い込まずに、主張する。これは彼女に対して失礼でもなんでもないことだったのです。そんな想いに至った経緯を彼女に話すと、凄くすっきりした様子で、『Hanakaがなんでイライラしているのか全然わからなかったけど、そういうことなのね』とお互いの文化の違いを理解し合い、その後は良好な関係を築き、10年たった今も、飛行機の客室業務員になった彼女とは移動する国々で、会っています。
自分の中の、知らない自分を知ることで、客観的に自分の心の変化に対応できるようになるにはどうしたらいいのでしょう。私がしたことは、
- 自分のこころの声を書き出してみる
客観的に物事をみるのには、視覚化するのが一番だと思います。
自分の感じたこと、思ったことを書き出してみると、感情が落ち着いた後に見直すと、思いもよらない気づきをするものです。 - 自分の感情の理解できない部分について、色んな友人達と相談してみる。
実はその想いを感じたことがあるのは自分だけではないかもしれないし、自分だけの強い観念があったのかもしれない。自分だけでは気づけない部分を知るきかけとして大切なステップ。
あくまでも”知るためのステップ”であって、同調を求めたり、してくれないことに気分を左右されないようにしたい。 - 自分の楽しいことをする
自分の好きなことはなんでしょう。
自分を笑顔にしてくれるもの、こと。気分が上がるもの、こと。
それを思いっきりして、心に充電しましょう。
わたしの心の充電はやはり日本に関することでした。実は、”ふるさと”が恋しくなっていたのです。
海外生活前から、日本で一人暮らしをして、親元はでていたけれど、それとはまたひとまわりも別の感覚でした。
言葉の違い、新しい人間関係、日本語なしの生活は、自分で望んでいった環境出会ったにもかかわらず、やはり自分に知らず知らずのうちにストレスを与えていたのだと思います。
久しぶりに、日本の曲をイヤホンできき歌ったり、日本人の友達とカラオケに行ったり、美味しいお寿司を食べてお茶を飲んでホッとしたり。日本語の本や雑誌を読んだり。どんと充電されました。
自分の心の充電がどういうことでできるのか知っておくことは凄く大切だと思います。
今も続く海外生活。今や、家族も外国人。北欧ファモアの軽いジャブもかわせるようになったのは、このプロセスの繰り返しをしているからでしょう。
国も状況も変わり、今は新しい充電方法をいろいろ模索中です。心の健康、大事にしていきましょう。