こんにちわ。
今日は、”その2”でお話した”人間が作った物質の蓄積”の一つにあたる”洗濯洗剤”に注目してみましょう。
北欧的洗濯を紹介!
まずは、私のいるデンマークからご紹介。
悲しいことに、私自身は現在のアパートの共同洗濯機は、洗剤は勝手にマシンにいれられるため、なにもどうすることもできません(昔からあるデンマークの集合アパートは大体、自室に洗濯機はありません。洗濯室にいかないといけないのは、結構普通です)。
水は、雨水から集めたものが再生利用されています。

ドラム型が主流で、Ecoモード、白色20度、30度、40度、60度、カラーも同じく&80度90度など、かなりの洗濯肢。もちろん、ウール用やデリケートなど合わせて20くらい選択肢があります。クリーニング屋かと思うくらいのプロ仕様です。
乾燥機はありますが、常時使う人は少ないです。外干し、中干しが多いですね。
うちはバルコニーに干しています。もちろん、1年で雨が多いデンマーク、中に干すことも。

こっちでは、干す時ハンガーは使わずに、洗濯ラインにどんどんかけて、洗濯ピンでとめていく干し方です(題名下の写真のよう)。ちなみに、ピンは木製か竹製のものが主流です。エコの国っぽいですね。
あまり量が干せないですね。小物はイケアでも売られているような室内用物干しを利用しています。
日本の方が洗濯干しグッズはかなりレベルが高いと思います。
夏は、なかなか難しいですが、冬は服を1回着ただけでは、基本洗わないのも北欧ファミリー流です。北欧マンは服が傷むと本当に洗いません。(私は洗いたい)。
私のアパートには100世帯住んでいますが、洗濯機は6つに乾燥機が3つです。日本の頻度で、全員洗っていたら絶対この数じゃ足りないはず。

北欧の服において、ニットは大きな存在です。赤ちゃんの下着は、まずニットの下着を着せて防寒したりするくらい、赤ちゃんの時からよく着るのがニット。今7月も10度台に下がるときはニットを着ている人もみます。
うちの子ども達も北欧ファアモアやその友人からの手編みの毛の服や帽子が沢山。傷ませないためにも、汚れた部分を手で優しく押し洗いするだけ。
何をしても、硬水なので、かちかちになります。タオルが顕著。最初はふわふわが良くて、乾燥機かけた頃もありましたが、もうかちかち慣れ。
もちろんバスタオルも数回使ってから洗います。気候的に乾燥気味なので乾きも早いこともあると思います。かといって、カビが全く生えないわけではないので、使ったタオルを風の当たるところに干したりしています。
デンマークは、かなり硬い硬水なので、水で傷むのです。沢山のアルコール消毒でも切れたことのない私の手も、デンマーク硬水にキレキレな程。
是非水質は大きく影響するので、気になる方はお水を調べて見てくださいね。

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そんなこんなで、デンマークの私の洗濯はあまり参考にならないかなと日本の洗濯事情も調べてみました。
洗濯洗剤って何で出来ているの?
川や海に流れている水を、直接飲むことはなくても、私たちはその水の中で漂う海産物を食べます。結局は自分の身体に返ってくることを考えると、何を流したらいいのかって気にもなってきます。
最近は、オーガニック洗剤、エコ洗剤等々、化粧品もオーガニック化粧品やミネラル素材など以前より名前を聞くようになりました。
そういう商品が売りだされたということは、環境に配慮したいって想いの方が沢山いるという点で嬉しいことだと思うのです。名前って影響力ありますよね。

デンマークでも、衛生用品の会社名に”Green”がついていたり、成分の有無を全面に出して、製品が売られています。基本的によいことしか全面にださないのが製品なのです。
商品を選ぶ時に、いつも確認していきたいのは成分や材料です。
みても、これ何でしょ??ってこと多いと思いますが、その成分を洗濯の度に下水に流しているわけです。
デンマークで主流の洗濯洗剤の成分は、C12-16 pareth7という合成界面活性剤で、化粧品に使われることが多いタイプのもの。硬水にも上手く活性化し、生物分解可能と言われています(Manufacture of special chemicals)。日本はどうでしょうか?
日本では、主に2種類があります。
合成界面活性剤系
原料は、石油、油脂。
天然系、植物性と言われているものも、1,2割の自然由来原料を含む合成洗剤です。
- 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)
- ポリオキシエチレンアルキルエーテル(AE)
- アルキル硫酸エステルナトリウム(AES)
石鹸系
原料は牛脂、ヤシ油、パーム油、パーム核油、オリーブ油など、動物や植物から採れる油脂です。また、それら油脂を化学反応させ得られる、脂肪酸も「石ケン素地」の原料として用いられます。
日本の場合、77%は下水が完備されています
では、下水に流れていくものであれば、下水処理場でどれくらい綺麗に分解されるのでしょうか。
洗濯合成洗剤に関しては、
主成分の界面活性剤であるAE・LAS・AESは、現在の下水処理システムにおいて、97〜99%超除去できています。
下水システムを通った合成洗剤は、自然にばさっと返っているわけではないようです。よかった。
今や、香りつけがメインになってきている柔軟剤も、合成界面活性剤ですね。
他にも蛍光剤、漂白剤、香料などなど合成洗剤には含まれているので、全ての分解をしているのかはわからなかったのですが、適正量を使用してほしいというのが公的な機関のお話。
合成洗剤を流しても大丈夫です。合成洗剤は石油などが原料であり,動植物油脂を原料にした石けんに比べ安定な物質であるため微生物が分解しにくいという特徴があるほか,濃度が高くなると下水を流れる途中で発泡し微生物に悪影響を与えることがありました。また,かつては水中のリン増加による富栄養化が問題視されたこともありました。
しかし,現在では自然界の力で分解されやすい合成洗剤が開発されています。これらは下水処理場で処理できますので下水道に流しても問題ありません。
ただし,合成洗剤に限らず洗剤・石けんを過剰に使用することに意味はありません。適切な量で使うようにお願いいたします。
出典:茨城県 鹿島汚水事務所 下水道や新芝処理場に関するよくあるご質問
生分解率100%の石鹸も”石鹸カス”という強敵

自然界に分解して吸収されることを、”生分解性”といいます。
自然界に出された全てのものは、自然物質と同一でない限り、何日〜何年、もしくは永久に時間をかけて、分解されていきます。
石鹸にも界面活性機能がありますが、水に薄めると界面活性作用を失うので、第一次分解で生分解率はほぼ100%です。
しかし、石鹸の成分である有機物を分解するのは、大量の酸素が必要になります。
酸素が使う生物があまりいないところだと分解に時間がかかるのです。(その2で説明している酸欠状態の場所ですね)&石鹸カスが生じます。
この石鹸カスが洗濯槽のカビの原因となったりすることも。硬水であるデンマークでは、かなり溶けにくく生じやすいので、洗濯機洗剤としては難しいですね。
ちなみに、肌に優しいとよく言われますが、石鹸は基本は【アルカリ性】で洗浄力は強いものです。(逆に弱酸性の石鹸は洗浄力が弱めで洗濯には不向き)。
洗濯のサステイナブル生活:使うものは最低限成分+〇〇

では、洗濯サステイナブル生活まとめていきましょう。
もし、柔軟剤、漂白剤常時使っていた、なくて使ったことがないとあれば、まずは、洗濯洗剤だけで試してみましょう。洗濯物によって使いわけて、使用量を減量できるかもしれません。
お住まいの水質によって、洗濯仕上がりは大きく変わるものです。
試してみて気にいらなければ、違う方法でサステイナブル生活していけばいい。
自分の生活に合わせて、出来るところからトライしてみるのがいいですね。
①弱アルカリ性液体せっけん洗剤を試してみよう
合成洗剤が石油由来であることから、石けん系洗剤をまずおすすめします。
出来れば、入っているものはシンプルに越したものはありません。例えば、香料や蛍光剤等々は、肌の刺激にもなるので、よくある”赤ちゃん用洗剤”には入っていません。
日本は基本的には軟水なので、
弱アルカリ性の蛍光料、柔軟剤、漂白剤、香料など添加成分なしの液体石鹸洗剤はどうでしょうか。
弱アルカリ性石鹸は、洗浄力を強く、水道水で使うことができますし、液体であれば前もって溶かす必要がない(希釈しているという点では、経済的ではないかもですが。。)です。
赤ちゃん用洗剤は、吐き戻しや排泄物などの酸性のものが取れやすいよう、弱アルカリ性のものが多いです。
どんな汚れが自分の洗濯物に多いのかみて、成分を決めましょう。

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クエン酸で軽い柔軟剤効果も!
もし、少し手間をかけれれば、すすぎが2回であれば、1回終わった時点で、水にクエン酸3g(30Lに対して)いれて、酸性の汚れを落とすとともに、雑菌の繁殖を抑えることができます。
生地が柔らかくなるので、柔らかく仕上げたい時に使用も。
洗濯機のお水が海外のように温度設定できる洗濯機の方、もしくは、お風呂のお湯で温かい時に洗濯が出来る方は、粉石けん洗濯洗剤もひとつの洗濯肢ですね。
粉石けんの方が洗浄力は強いので、しっかり洗いたい時はこっちというのもありだと思います。
ただ、粉石けんは硬水や低い温度では溶けず、溶かす必要があるので、石鹸カス発生にはご注意を。
弱アルカリ性洗剤は、毛や絹には使うことができません。タンパク繊維はアルカリ性に弱い性質があるので、その時は中性洗剤(合成洗剤の方)で、お洗濯をしてください。
ひどいシミには、過炭素ナトリウムの出番
ひどい汚れに漂白剤を使いたい場合は、酸素系漂白剤の過炭素ナトリウム(弱アルカリ性)を使いましょう。過炭素ナトリウムは、水と酸素に分解します。
洗濯槽クリーナーとしても使える過炭素ナトリウム。
出来れば、容器は詰め替え用があるものを買いましょう。容器のプラスチック減量ができます。
石鹸カスは、液体石鹸洗剤でもたまります。洗濯槽のカビを防ぐためにも、時々掃除もしましょう。
《酸素系漂白剤:過炭素ナトリウムのポイント》
- 塩素系漂白剤(匂いがツーンとする)に比べ、炭酸ソーダ、酸素、水に分解され、環境への配慮ができる。
- 強い洗浄力のため、毎日は使わない
- 直接触れる場合は、強いので、必ず手袋をする
- 40度(やや熱い風呂)のお湯で溶かしてから使う
- 発泡するので、溶かしてスプレー容器にしまうのはNG
40度あたりのお湯1Lに小さじ2杯分混ぜた状態でつけおき、30分〜1時間(汚れによる)もしくは、過酸化炭素ペーストを作り、汚れ部分に刷り込み、洗う。
<過酸化炭素ペースト配合>
・過炭酸ナトリウム 大さじ2
・重曹 大さじ2
・水 大さじ1~2
ペーストは1回で使い切る分のみ作ること。効果がなくなる。
参考:
Esse online
②蛍光剤や香料などが無配合の合成洗剤タイプを使う
もし石鹸カスが気になる、やっぱり匂いが気になると思ったら。
合成洗剤の中の界面活性剤は、下水でキレイにされるのなら、できるだけそれのみの洗剤を使い、他の洗剤(漂白剤や柔軟剤)は必要な時に必要な分だけ使うようにすることをおすすめします。
赤ちゃんに刺激物が触れないようにするように、環境にも同じように無い方がよいですよね。
こっちだと中性洗剤という選択肢もできます。
合成洗剤も、洗浄をしっかり派は、”弱アルカリ性”、毛・ウール・デリケート素材が多い派は”中性”と自身の洗濯に合わせて選んではどうでしょう。
ベルギーから来てるのがちょっとサステイナビリティじゃないかもだけども

エコベール 洗濯洗剤 液体 本体 (無酵素・無蛍光増白剤・無着色) ラベンダーの香り 1500ml

ピジョン 赤ちゃんの洗たく用洗剤 ピュア 洗浄力Plus+ 600ml
③水の量に合わせて規定量をいれましょう
泡立ちと洗浄力は関係がないそうです。
意外とこれが一番大事だったりする。
石鹸でも、環境に優しいわけではありません。量を守り、規定の量であらうのが一番キレイで経済的。
自然派なあなたには、天然100%素材のソープベリー
もう普通の石鹸じゃ物足りないあなたには、これ
自然派の方には、天然100%ベリーなのに界面活性作用がある”サポニン”を含んでいる”ソープベリー”もおすすめです。
日本では〘ムクロジ〙という名前の木から取れる実で、中の種は昔、羽根つきの黒い部分に使われていた位、とても馴染みのある木です。
この皮の部分に、サポニンという界面活性剤成分が入っていて、世界では”ソープ”として使われています。
オーストラリア在住のMakiさんがソープベリーを使った洗濯方法について詳しくまとめているので、ソープベリーを使いたい方は是非参考にしてください。
ソープナッツって何?古くて新しい最強のエコ洗剤
乾燥機&ふわふわLoveのあなたには、ウールボール
洗濯で柔軟剤を使わない分、乾燥機でふわふわになる手伝いをしてくれるのが、”ウールボール”
ウールボールは、余分な水分を含んで、早く乾かすのを助けてくれる一方、繊維とふれあい回ることで、出来上がりがソフトタッチにふわっと仕上がるのが特徴です。
特に、ウール100%なら、自然に悪いものは何も出てこないですね。
ドライヤーボールは、プラスチックのものやテニスボールを入れるなど、色々あるようですが、プラスチックは高温になるドライアーと相性がいいとは思えず。安価なものは、特に怖い気が。
是非、ドライアーボールを考えているのなら、ウールボールをおすすめ。
手作りするのもいいと思います。
まとめ
今日はサステイナブル洗濯洗剤生活について考えてみました。
ちなみに、下水システムに流れない場所(直接川や海に放流してしまう所)で、洗濯をしたりしないように注意しましょう。
最近、洗濯機の入れ替えがあり、10日間洗濯ができませんでした。
さすがに子どもの服はどうしようもなくなって、お風呂の子どもプールでとなりのととろのように足で洗濯して手で絞って干しました。。。。洗うのは子どもと一緒に楽しかった!(手首が腱鞘炎になりそうでしたが。。)
昔の人ってすごいな。