こんにちわ。
日本では暑い夏が始まっていますね。
ここデンマークでは、今週から雨の日が増えて、すっかり冷えてきた空気に夏の終わりを感じてきています。
青い空をみられる日も減ってくると思うと、よく空を見上げてしまうこの頃です。
さて、今日は前回の生ごみを減量からの、処理方法について書いていこうと思います。(前回のお話はこちら)
コペンハーゲンでは生ごみは、”Bio”という存在というお話をしました。
ベランダでコンポストを作っている友人もいましたが、ガーデニングがとても人気のあるデンマークではコンポストを無料でリサイクルセンターなどで配布しているところが多くあります。
(*コンポストは”土”のことです。野菜くずなどのリサイクルから土に栄養を与えた状態の土を指します)
今回の引っ越しで、ビオ回収がない自治体にやってまいった北欧マン家。
今更ビオをどんどんゴミ袋にいれていくことに抵抗を感じるようになっている私は、自宅で”生ごみ処理”と向き合うことになりました。
色々検討したものをご紹介するなかで、みなさんの中でこれを試してみようかなってものがあれば、”生ごみ”が”ビオ”に変わるきっかけになるかもしれません。
私も初めてやって、やっと理解した仕組みなど、”コンポスト”についても理解していなかったことが判明。
これからの人に役立てばいいな。
自分にあった方法をみつけるために考えること

ガーデンニングが趣味の方で、もちろん古い土を再生利用するのにコンポストをビオ循環で作る方もいらっしゃると思います。
そういう方が、沢山の野菜がなるようなコンポストを作るのであれば、ビオの中身についても注意をされているのかな。
コンポストは酸性の土なので、その後アルカリ性に土をしたければ、カキ殻や苦土石灰を混ぜるなどなさる方もいるでしょう
ただ、私は完璧な売られているようなコンポストではなくて、”燃えるゴミにいれる生ごみを減らす”のが目的で考えています。
私のような方は沢山いるはず。
もちろん、最終的にはそこから土を操れる魔術師になれたらいいなと希望はありますけれども。
私は”コンポストを作りたい” OR”燃えるゴミの生ごみ減量したい”??
ゴミ減量や、コンポストについて広がりもあって、最近は色々な方法がありますよね。
私の中で、生ごみ処理方法を変えよう!と考えたら、まず考えた方がいいと思うのは、
《コンポストを作りたい or 生ごみ量を減らしたい》
だと思います。
どうしてここを考えた方がいいか、見ていきましょう。
一軒家?アパート?コンポスト土の行き先は?
日本において、コンポスト作りに使う容器に補助金がでる自治体もある一方、利用者が少なくて補助金を打ち切りにした自治体も。
利用者の声は。。。。『コンポスト土を使うところがないから、次は土の処理に困る』
というものでした。やったことがなければ『へ〜そうなんだ』位にピンとこなかった私。
今回とてもこの話はよくわかりました。
《コンポスト》は、堆肥のことです。
生ごみコンポストというのは、生ごみが菌によって分解されて、土に還ってできる堆肥です。
なので、容量は《土 プラス 生ごみ》になります。
土がないと分解しないので、土の置き場所が必要になります。
また、コンポスト直後はまだ分解も終わっていないものも多く、酸性も強いので、育てる土として使うために、生ごみを入れ終わった後に寝かす期間1ヶ月〜2ヶ月(季節により)生じます。
その土を置いておくスペース、その土を何に使うなどのプランを考えていないと、『あれ?思った以上にうち土がいっぱい』なんてことも。

ベランダでお野菜作ったりしよ〜って思っていた私も、
ベランダで畑が作れそうと思える量になってきて、やや驚き!
私が住む場所では、ガーデニングに使った土をリサイクル回収していて、それがコンポスト作成や他の用途で使われています。
生ごみを土に分解してもらうだけで、コンポストとして使うつもりはないという人もいるかもしれません。
それでも、最低限のスペースを屋外に確保しなければなりません。
いちを、どうしても土の場所が確保できなくなった時のために、自治体の土の処理方法についても調べて置くことをおすすめします。
念のための調べはしておいて、
この土を楽しむ・土と向き合う時間・何かが育つ瞬間など、その後に訪れるウキウキを楽しみにできるあなたは、是非コンポスト作りに向かいましょう。
もちろん、一軒家に住んでいて庭がある、雨が当たらない野外スペースが十分ある、借りで畑を借りているなどの条件が整っている人は、ここは気にする必要ないですね。
羨ましい限りです。
ただ、『せっかくだから少しでもベランダでも植物ちょっと育ててみようかな?』って思ったあなた!
冬だけコンポストをするという手もあります。
年越しからの冬期間にコンポスト土を仕込んでいる間、燃えるゴミの袋は驚くほど軽くなるでしょう。
虫や匂いも冬場でなら出にくい状況です。
そして、春の種植えに、ホームメイドコンポストを使う。
1年のうち、少しでも減らす期間があれば、意味があることだと思います。
自分にあった選択肢を探ろう!
では、昨今の生ごみ処理の選択肢を一緒にみていきましょう!
好気性コンポストを作る

好気性コンポストとは、空気に触れることで、菌に元気に活動してもらい食べ物を分解してもらうことで出来上がる土です。
《簡単な好気性コンポストの流れ》
- コンポストをいれる容器や土などを準備して、ビオをいれられる状態にセット
- 毎日ビオを土に穴をあけて投入、土とよく混ぜる
- 容器の大きさ、ビオの量により、1〜3ヶ月間、2の作業を同じ土で継続
(良い状態のコンポストは、ここで30度から60度まで土の内部の温度が上がっていきます) - 土全体にビオが入った状態(6割土:ビオ4割位)になったら、そこで最低1〜2ヶ月熟成
- 土が安定するのに半年位まつと、ほぼ分解される
何となく、想像できましたでしょうか?
好気性コンポストを作る時のポイントを挙げてみると。。。
《好気性コンポスト》
- 外気が低温だと菌の活動が弱まる
- ほぼ毎日かき混ぜる
- ずっとほったらかしは出来ない
- 空気が必要なので、よく蓋をあけて空気もいれてあげる
- ということは、虫が心配
- 低価格
- 使うスペースはみかん箱ダンボール位(外で雨が当たらない場所が必要)で2,3ヶ月使用可能
- DIY可能
ぬか漬けのぬか床と同じですね。毎日かき混ぜて空気に触れさせてあげることで、元気に育つ菌達。
菌と聞いて、この時期ですのでいいイメージが湧かない方もいるかもしれませんが、パン作りをしたことがあるならわかると思います。
イースト菌が時間を置いて、ふわ〜と大きくなるあの不思議で力強い生命を感じる瞬間。
コンポストができる間に働いている菌もそのような菌だと考えてもらえたら、微笑ましくみえてくるのではないでしょうか?
よく自治体で紹介されているダンボールコンポストがこのタイプです。

ダンボールコンポストセット
身近なものから始められる、初期費用が低いというのは、やってみようかなっと素晴らしい一方で、
”ダンボールって置いといておくのはね、外観的に、ちょっと”
っていう人にもお洒落でトライしやすい商品もでてきていますよね。
一番始めにトライする人が多いのがこのタイプかもしれませんね。
土の材料は本当に色々。
赤土のみもあれば、炭を混ぜたり、ピートモスまぜたり、苦土石灰混ぜたり。
ダンボールも、LFCコンポストも、堆肥を作ります。
この堆肥を土と混ぜて、プランターや畑に使うことができます。
どちらも2,3ヶ月で容器を交換となっていますね。
容器が小さい、または脆いので、その中でビオ分解がしっかり終わる前に、土よりもビオが多くなってしまいます。
そのまま、ビオがどんどん投入されると、水分過多になります。
バランスが崩れると、上手く分解されず匂いや虫の原因になりかねません。
分解時の熱や湿気は、手で触るとはっきり暖かいとわかる位なのです。
なので、よい堆肥にするのに2,3ヶ月なのかなと思います。
1年で大体みかん箱4〜6箱分の土。
違う場所で菜園している人には、出来たら運んでなんて出来て、理想的ですね。
出来た堆肥を使って、家庭菜園を年中やる想像して。
1シーズンみかん箱ひとつなので、これを堆肥に土を混ぜる位なら、大きいプランターふたつ位でしょうか。
ご自宅のアパートで置けそうですか?
葉山町松本さん発祥:土が増えない”キエーロ”
葉山町にお住まいの松本さんが考案されて、各自治体で利用されはじめているキエーロ。
聞いたことがある方もいるでしょうか?
”生ごみが消える”から、キエーロということで、生ごみ処理にフォーカスをして、設計されている好気性コンポストシステムを利用したものです。
《キエーロとダンボールコンポストの違い》
- 堆肥を作る最後の土を寝かせる部分は考えず、その土を使い続けることができる
⇒どんどん土が増えない - キッチンで、密封された容器に2,3日ビオを溜めて、発酵させることを推奨
- ダンボールよりは大きなサイズの設置が必要
松本さん考案サイズは、横90cm、奥行き45cm、高さ80cmです。
ベランダに、設置できるスペースがある方は、これを設置して直接ここにビオをいれていくことができますね。
分解した後の部分の土を家庭菜園に使うことも可能で、採った分の土を再度追加すればよいそうです。
これがゴミ分解の理想な気がします。
嫌気性コンポスト(EMボカシコンポスト)を作る

嫌気性コンポストは、その名の通り、空気に触れない状態で一度発酵させてから、コンポストを作るタイプです。
バケツに蛇口がついているタイプのコンポスト容器がこれです。
ボカシというのは、”化学物質を使わず有機物を発酵させて作る肥料”です。
ボカシって何??
ボカシの原料は、米ぬか・鶏ふん・腐葉土などを混ぜて発酵させたもので、自作することも可能です。
ボカシには、好気性発酵するもの・嫌気性発酵するものとあります。
納豆菌やヨーグルトを使用して好気性で作るものや、嫌気性で活性化するEM菌ボカシがあります。
EMボカシは、このボカシの中に、EM菌が入っている商品を混ぜたものを指します。
EM菌というのは、”有用微生物群”という意味で、沖縄県比嘉照夫氏が開発した商標名です。
EM菌が有用か否かについては、研究がいくつかされていて、懐疑的な結果が出ていたりもするようですが、効果があると長年使用している方もいて、賛否両論といった感じです。
EM菌を信じれば信じる程効いてくるなどの代表の活動などで、宗教との繫がりが目立つために、人々が離れていると感じますが、それはここでは置いておきましょう。
ボカシの語源は、米ぬかなどの肥料を水で薄めていたのを”ぼかす”と呼んでいたところからきているそうですが、海外でもそのまま、《Bokashi》として広まっています。
好気性コンポストの発酵を促すのに、このボカシをビオ投入時に追加して土に混ぜることで、発酵が促進されて、冬場でも発酵を促すことができるそうです。

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嫌気性コンポストは、密封状態にして、所謂”ビオのぼかし漬け”を作る工程が特徴。
《簡単な嫌気性コンポストの流れ》
- ぼかしコンポスト容器(排水口が付いているタイプ)、ボカシを準備
- 好きな時に、ビオを容器に投入
ぼかしをふりかけ、蓋を密封する - 2の作業を、9割位入るまで続ける
開始3日〜1週間後から、EMボカシ液が下の排水口からでるので、時々確認して採取 - 満タンになったら、2週間〜1ヶ月、そのままで熟成
- 熟成後、土と混ぜ合わせて、再度熟成
嫌気性コンポストのポイントについてまとめてみましょう。
《嫌気性コンポスト》
- キッチンのシンク下などに設置することができるため、すぐ容器にいれることができる
- ぼかし液を栄養剤として利用することができる
- 結局、土に混ぜて、熟成させる場所が必要となる(プランターに直接使用するなども可能ではある)
- コンポスト容器は2個必要(ビオ漬物にしている2週間があるため)
- EM製品が必要(EMボカシ、米ぬか+EM液、色々バリエーションはあり)
北欧マン家では、今この嫌気性コンポストに取り組んでいます。
私がこれを選んだのは、やはり気温の低さでした。
夏に高くても30度以下、年中気温が低いデンマークで好気性コンポストで分解されるのかなと疑問に思ったのと、北欧マンの敏感匂いなところで嫌気性がいいのかなと選んで初めてのコンポストに取り組んでみました。
我が家では、16Lのコンポスト容器が1ヶ月で満タンになり、これを土と混ぜて熟成させます。
1ヶ月で16Lビオ漬物を17L少しの土で混ぜたので、混ぜた当初は、約33L。
確実にみかん箱は超えております。
2ヶ月で66Lになりましたが、1ヶ月経過して混ぜた当初よりは、76L容器が埋まったな〜と思っていたのが、ビオが分解されてきて、混ぜる度に少なくなってきました。
このスタイルも、家庭菜園を考えている人向きです。
沢山の堆肥ができますから。

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詳しくまたまとめますね。
ビオをカラカラ乾燥させて、燃えるゴミ袋が軽くする!
まずは、うちには土は無理だ!という方。
いいんです。だって、場所がないんです。
やはり、そういう方には”生ごみ処理機”でしょうか。
デンマークでは、残念ながら見たことはありません。
電気製品開発が強い日本ならではの商品なのかもしれませんね。
でも、特に暑い夏には匂いも虫も発生しやすい日本にはぴったり。
乾燥式・バイオ式・ハイブリッド式とあるようですが、屋外で且つ電源がいるとなると、アパート暮らしにはちょっと難しい。
私だと、屋内における乾燥式が選択肢ですね。
乾燥式は、電気代が発生するのと、何が消耗品かを確認するのがポイントですね。
高額な値段なので、助成金がでる自治体があるというのは嬉しい朗報ですね。
”燃えるゴミが減って軽くなる”って所をみて、ひとり暮らしの母のゴミ出しに役立つのかもとふと気づきました。

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生ごみ処理機で乾燥させたビオを混ぜたコンポストは、失敗が少ないかもしれませんね。
ミミズコンポスト
虫が大丈夫な方には、ミミズコンポストなんてのもあります。
ミミズコンポストは、いつか北欧マン家でも、追加でもっていたいなというのも思っております。
というのも、釣りで活躍してくれるミミズくんとコンポストのミミズくんが同じだそうで、いつかうちで働いてほしいなと思ってはいるのですが、家族4人分のビオをミミズ君だけに託すには少し厳しいかなと判断しました。
ミミズコンポストは、家のビオの量に比例して、ミミズ君の量が必要になります。
500gのビオを処理するのに、1kg約2500匹のミミズ君が必要になります。
詳しく知りたい方はこちらを参考になさって下さい。
ミミズから出来る良質な堆肥はとても人気だそうで、ミミズ堆肥を売買している会社では人気で何年後まで予約が埋まっているそうです。
まとめ
今回は、ビオを”生ごみ”にしないために出来ることを今回あげてみました。
上記以外にも、庭やスペースがある方には、大きなコンポスターやら選択肢は沢山あると思います。
私のようにアパート住まいの方でも何か出来ないかなと思っている方に向けて情報をまとめてみました。
実際、嫌気性コンポストを始めた私ですが、どうにか、嫌気プラス”キエーロ”の2刀流が出来ないか模索中です。
またボカシコンポストに興味がある方にむけて、初心者ボカシコンポストチャレンジ紹介します。