こんにちわ。
サステナブル原則その2で、少し触れました農薬から広げて、少し自分たちの生活にどうしていったらいいかを考えたいと思います。
今回はオーガニック。
オーガニックって何?
オーガニックという言葉ももう日本にも浸透しているのでしょうか。
日本では”有機〇〇”と表示されているようです。見たことありますか?
農林水産省のページによると、”有機〇〇”とつけるには、有機JASマークの認定が必要です。
太陽と雲と植物のイメージでできているマークだそう。

基本的には、農産物、畜産物、加工食品、有機肥料に規格が定められています。
有機農産物
堆肥等による土作りを行い、播種・植付け前2年以上及び栽培中に(多年生作物の場合は収穫前3年以上)
原則として化学的肥料及び農薬は使用しないこと
遺伝子組換え種苗は使用しないこと
有機畜産物
料は主に有機飼料を与えること
野外への放牧などストレスを与えずに飼育すること
抗生物質等を病気の予防目的で使用しないこと
遺伝子組換え技術を使用しないこと
有機加工食品
化学的に合成された添加物や薬剤の使用は極力避けること
原材料は、水と食塩を除いて、95%以上が有機農産物、有機畜産物又は有機加工食品であること
薬剤により汚染されないよう管理された工場で製造を行うこと
遺伝子組換え技術を使用しないこと
2020年7月16日から、畜産商品にも有機〇〇と商品広告を使用する場合には、有機JASマークが必要になりました。
畜産商品とは、肉、卵、バター、牛乳、チーズ、チョコレートなどで、加工商品では5%以上畜産材料が入っているものが対象となるようです。
デンマークのオーガニック事情

2007年4月に日本は有機農業についての決まりができたので、今13年目ですね。
デンマークで、オーガニックの指針が制定されたのが1986年になります。
1897年には世界初でオーガニックに関する制約、1989年にはロゴの運用が始まりました。

デンマークでは、このマークを国民の98%が理解しています。
今年でほぼ30年目。認知度の高さが伺えます。
スーパーにいっても、沢山の商品に”オーガニック商品”があり、選ぶことができます。
価格はどうでしょうか。
アメリカでは、明らかにオーガニック商品は価格がかなり高めに設定されていました(5ドル位高いものも)。
比べ、デンマークは、比較的価格も100円〜300円違いも商品もあり、日常に食べるものをオーガニックにしやすくなっています。でもお肉は本当に高い。
現在のマーケットでのオーガニック商品のシェアは以下の表のとおり。

肉が低いのは、やっぱり価格帯だと思います。
でも、オーガニックに対してのこだわりは半端ないところです。
お昼が提供される保育園でも、レストランでも入り口に下のいずれかのステッカーが見られます。

保育園で提供される食事やレストランの材料にどれだけのオーガニックが使われているのかを表しています。
そして服も。エコテックスのマークは、有害な物質が含まれていない繊維製品に使用されています。特に、新生児の服にこれが付いていることが多いです。

有機・オーガニックって何で選ぶの?
デンマークで、『何故オーガニックを選ぶのか』と消費者にアンケートをとったところ結果がこれ。
デンマーク人のオーガニックを選ぶ理由(上から多数票)
- 農薬の散布が少ないため
- 動物の飼育状況をよくするため
- 環境と安全な水を飲むため
- 健康のため
- 気候変動への影響を減らすため
- 質のいいものを摂取したいため
- 添加物摂取を減らすため
動物の権利、環境問題と意識の高さがアンケート結果から見えます。
1位は農薬への心配ですね。
オーガニックも天然素材の農薬や有機農薬を使用したり、必ずしも無農薬であるという意味ではないですが、化学性農薬の使用しないことをサポートすることで、しいては自分たちの健康に繋がるということをよく理解している方が多いということでしょうか。
2位の動物の飼育環境を良くするためは、海外では特に意識するようになるのは、表示の違いだと思います。

例えば、鶏の卵であれば、
ケージで育てられたものなのか、
ケージでなければどの位の大きさに何羽が飼育されているのか(フリーケージと書いていて、実は大量の鶏がある面積に詰め込みっていうのがよくある)
低温殺菌されているか
オーガニックか(=卵誘発剤を使われていない)
エサだけでなく、飼育状況が記載されています。
特にケージで飼育されているものは、産まれてから死ぬまでケージでただ卵を生み続けてなんてと批判されているのです。
また”沢山の2個黄身が入っている卵を避けたい”と友人言っていました。
よくあるのであれば、薬を使っている可能性がありますね。

肉の抗生剤使用の有無は、完璧オーガニック基準は通過してないけど、抗生剤は使ってないよとステッカーが貼ってあることもあります。
デンマークでは抗生剤使用しない豚も作られています。
抗生剤自体が人に影響するかどうかはとても小さいものだと研究で発表されています。
じゃあ、何故抗生剤をさけるのでしょうか。
それは、薬剤耐性のついた世代を作らないためです。
それぞれのファームで自家交配をして次世代を作っていく過程で、抗生剤の多様化により薬剤耐性による感染が世界で70万報告されています。
これは人間も同じこと。沢山の抗生剤を使いすぎると何も効かなくなってしまうのです。
アメリカでは、養殖のサーモンも抗生剤入り、抗生剤なしと選ぶことができました。
海外では、色々食品の表示義務が違う分、消費者の意識も違うという風に感じます。
参考:Denmark Raised Antibiotic-free pigs
私の選ぶ基準
ここからは、北欧マン家が実際どうやって選択しているか説明しようかと思います。
これはあくまでわたしたちのラインなので、ご自身の心地のよいラインを決める参考にでもなったら幸いです。
ちなみに、オーガニックが栄養価が高いのかもよく疑問ででてますが、ほとんど変わりがないというデータもあります。
栄養価が高いものが欲しくてオーガニックを選ぶのは違うのかなと思っています。
私たちがオーガニックを買う理由は以下の3つです
私のオーガニックを買う理由
- 皮をむかなくていいから(洗いますよ〜)
- 農薬の心配を軽減したいから
- 有機ファームさんを応援したいから⇒環境や人への健康影響を減らしたい
そう、まずは私、面倒くさがりなのです。
海外で、果物の皮を剥かないのは結構当たり前なのですが、野菜もできるだけ剥かずにそのまま食べたいのです。
特に、皮と実の間に栄養価が高い部分があるものが沢山です。
手間を省く&ゴミを減らす&栄養価が高いまま と一石二鳥ならず三鳥です。
そして、子どももいるので、小さい身体にはできるだけ不純物は入れたくないのが親の心情ってところで、おやつにあげる果物が特にオーガニックになったりします。
私がオーガニックを勧めるもの
皮ごとたべるもの 例)りんご にんじん じゃがいも かぼちゃ ズッキーニ
皮が柔らかく洗えない 例)ベリー系 いちごやぶどう ブロッコリー
私が普通のものを買うもの
皮が分厚く、食しないもの 例)バナナ スイカ
農産物で皮ごと食べるものは、できるだけオーガニックにしています。
特にベリー系は、皮ごと食べる上に、柔らかくごしごし洗うわけにいかないので、高い時は冷凍のものを購入することもあります。
日常的によく摂取するものもできるだけオーガニックを買うようにしています。
牛乳、たまご、オートミール、強力粉、米、りんご、にんじん、じゃがいもなどです。
摂取量が多いということは、どうしてもそれに伴うものも身体にとり込む量が増えるので、オーガニックを買っています。
アメリカでも、デンマークでも”オーガニック”新商品はどんどん出てきますし、売れています。
デンマークでも、参考サイトをみると、初めから有機ファーマーが利益をあげていたとは言いがたく、苦しい時もあったようですが、2014年あたりから、一般ファーマーよりも給料が上がっているのが見えます。
価格帯もあり、初めは消費もなくて、大変だったことが読み取れます。
私は、農産物や食品を買うただの消費者です。自分でオーガニック野菜をちょーと作れても、毎日の家庭を支えることはできません。
環境や人の影響を考えてくれた有機ファーマーさんや会社を応援することで、少しでも自分たちの健康を守ることと繋がるのであれば、それがいいかなと思っています。
もちろん、オーガニックで作ることのできない野菜もあります。
デンマークでも、全ての農産物や食品にオーガニックが存在するわけではないです。
私たちもオーガニックでないものも買いますし、食べます。
日本では残留農薬も調べてから市場にでていますし、しっかり洗うこと、酢水に数分つけてから洗うなどで取り除くことができるとされています。
オーガニックにこだわりすぎることなく、自分のお財布と相談もしながら、新鮮な地元の野菜を、適切にあらって、栄養たっぷりいただくのが理想的だと思っています。
お肉は高くて、なかなかオーガニックは手がだせません。
選べれば、抗生剤なしのものを購入しています。タンパク質はお豆を使う日も増えています。
残念ながら、美味しい豆腐はないので。悲しい。
加工食品は、オーガニックよりも添加物がないものものを優先に私は選んでいます。
できるだけ材料が少ないもの、シンプルなもの、Eナンバー(添加物のナンバー)が入ってないものを基準で、その後にオーガニックだったりします。
自分の身体にはいるものは、できるだけ見えている方が安心ですもんね。
まとめ
今日はオーガニックについて調べてみました。
あるデンマーク人の知り合いが、
『デンマーク人は美味しいものを食べるとか文化はないけど、オーガニックに対してのこだわりがすごいから、エンゲル係数だけは高いんだよ』
って言ってました。味は変わらないと思うゆえに、そこがデンマーク人らしさなんでしょうか。
3つの有機JAS規格にあった”遺伝子組み換えじゃない”について、次は取り上げようと思います。